株式会社コサイン

ホーム │ サイトマップ
  1. ホーム
  2. 住まいと暮らしに役立つコラム
  3. 長原 實の「みのる塾」
  4. 第8話

長原 實の「みのる塾」  [第8話]

1990年、91年、92年というのはバブル崩壊です。この時代というのは、今から20年前ですが、だいたい皆さんももう高校、大学の時代でしょう。
かなり世の中のことを分かってらっしゃる年代。
バブル経済というのは何から起こったかというのは、これも話をすると長くなってしまうんですが、バブル経済の始まりというのは1985年、今から25、6年前の「プラザ合意」から始まっているんですね。

当時のアメリカのレーガン大統領と日本の中曽根康弘、ロンとかヤスとかね、新聞報道では非常に親しい関係だと、プラス面が随分報道されたなと私は思うんですが。
この2人がニューヨークのセントラルパークの一番南にあるプラザホテルというイギリス風の豪華なホテルで会談した。そこで何があったかというと、つまり円高誘導です。
それは、アメリカ側からの要請でしょう、当然。
当時、まだ1ドルが240~250円の頃です。360円の時代は皆さんは経験がないと思いますけれども、話には聞いているでしょう。
大学でも習ったかも知れませんね。360円に固定されていたのは、私の記憶では昭和45、6年くらいまでかな。1971年か、そこまでは1ドルが360円だったんですね。
だから、北海道の木材も大量に輸出されたんです、アメリカにも、ヨーロッパにも。それで北海道の広葉樹がなくなったという歴史があるんですけど。

* それが変動性になってもなおかつ、円がアメリカが期待したほど高くならなかったんです。
したがって日本からどんどん輸出されて行くわけです。日本の産業が急速に力を付けて、自動車とか、家電とか、特にソニーが引っ張っていましたね。ホンダもそうですが、ホンダは車に手を出してからそれほど経っていませんが、トヨタも、日産も、アメリカへの輸出を増やしていたんです。
つまり、アメリカの貿易赤字がどんどん増えている、その主たる原因が日本だということで、日本に円高を迫ってきたのがプラザ合意なんです。
中曽根首相も、このままではアメリカとの関係が悪くなるということで、ある程度容認したんでしょう。
そこからどんどんどんどん円高が進行して行きました。

1985年から95年まで、この10年間で、1ドル250円から80円まで、猛烈な勢いで円高が進みました。これは結構重要なポイントなんです。
その間に、もちろん日本の輸出産業もものすごく努力をしたはずです。そしてまた、自動車関連などは特に、下請け産業の裾野が広いですから、これを徹底意的に叩きまくったと言うか、ただ叩きまくっただけじゃないですね、その生産方式から何から全てを合理化の精神で貫いてきたという、これがトヨタが世界一になった原動力でもあるんです。
つまり「トヨタ生産方式」と称される、これは世界でも通じるんですね。
この本質は何かというと、「ジャスト イン タイム」。これも話をすると長くなりますが、皆さんは十分勉強されていると思います。

そういう時代を経て、円が急速に高くなって行く現象の中で、円高不況というものを日本の大蔵省も日銀も大いに心配しましたね。
つまり輸出が出来なくなる。
円がどんどん高くなるわけですから、輸出が難しくなる。そうなると日本経済はどうなるんだ、ということから、円高不況を過重に心配しすぎた。
日銀も市場にお金を大量に出したんです。これ以上必要ないよ、というくらい市場に出した。
つまり、お札をたくさん印刷したと言えば分かりやすいと思います。
しかし、物価はどうかと言えば、輸入品の物価は上がらない、むしろ下がるんです。だから、資金は大量にある、物価は思ったほど上がらない、むしろ下がり気味だという状況の中で、余ってる資金がどこに向かったかと言うと、土地、不動産、そして形のない権利、ゴルフ場の会員券であるとか、そうした無形の資産にお金が流れ込んだんですよ。

政府は「リゾート法」という法律まで作って開発を奨励し、そこにお金出させたわけです。
日本経済の力を付けようということなんですが、それが過剰に行き過ぎたんです。
どこが過剰だったかと言えば、お金が余った人たちが、アメリカの資産を買い始めましたね。
皆さんも記憶があると思います。
日本の財閥系の資本が多いんですが、例えばニューヨークのエンパイア・ステート・ビルを買い取ったとか、ロックフェラー財団のあの建物を買い取ったとか、アメリカ人が誇りにしているようなモノをジャパンマネーで買っちゃったんです。
それも法外に高い値段で買った。つまり、円が高いから、日本のお金の使い出があるわけですよ。日本の円で買えば安いもんなんです。
そういうことが頻繁に行われるようになって、これまたアメリカのひんしゅくを買う、ということになります。

 
長原 實「みのる塾」9話へ続く
 
 
 
 
 
 
Instagram
 
 
 
 
 

メディア掲載情報

『HO(ほ)』7月号の読者プレゼントにコサインのリバーシブルカッティングボードがラインナップ。

掲載情報

2019/5/28
コサインのサクラ材のリバーシブルカッティングボードがもらえるチャンスです!

『リフォームセールスマガジン リフォマガ』6月号にて、靴べら(L)と専用スタンドのセットが紹介されました。

掲載情報

2019/5/20
靴べら(L)と専用スタンドのセットが紹介されています。

『Reform Selas MAGAZINE』1月号にて、掛け時計(カラー) [メープル]が紹介されました。

2018/12/17
コサインの時計のなかで人気No.1の「掛け時計(カラー)」が紹介されています。

 

↑ PAGE TOP